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筋緊張型頭痛

緊張型頭痛の臨床像

緊張型頭痛は、慢性頭痛のなかで、最も頻度が高く、Sakai&Igarashiらの報告によると、過去1年間の緊張型頭痛の有病率は、22.4%(一般人口の4人に1人)とされ、実に約2300万人の患者がいることになります。これは片頭痛の2.65倍に当たります。男女比は、男性18.1%、女性26.4%と、女性に多いものの、片頭痛ほどの性差はなく、現代社会の国民病と言えそうです。このタイプの頭痛は、「頭が重い」とか「頭を締め付けられる」とか「帽子をかぶったよう」「ヘアーバンドを巻いたよう」「頭や肩に重いものが乗っているよう」といった表現が多いようです。問題は、このタイプの頭痛をもっている人は、市販の薬で対応する、あるいはこれといった対処もせず我慢するなど、医療機関を受診することが極めて少ない点にあります。長期的に見た場合、適切だとは言えません。

実際の頭痛診察では、肩こりをご本人が自覚される場合が圧倒的に多いですが、必ずしも肩こりの自覚がなくても、肩や後頚部、後頭部の筋肉を親指で押してみると、圧痛(押さえられた部位に痛みを強く感じる)を認め、頭痛側と非頭痛側で明らかに筋肉の緊張のレベルが違っていることがわかります。特に後頭部の皮下を走行する大小後頭神経の圧痛点を証明することで緊張型頭痛の診断が可能です。

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