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脳梗塞のお話

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脳梗塞とは

脳梗塞と一言で言っても、大きく以下の3つに分類されます。

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1)ラクナ梗塞

「ラクナ(lacune)」とは、ラテン語で「小さなくぼみ」と言う意味があります。文字通り、頭部CTやMRI画像上で、1.5cm以下の小さな水溜まり様に見える脳梗塞がこのタイプです。原因となる脳血管は穿通枝(せんつうし)と呼ばれる200-300μmの細い血管です。しかも脳内にはこのレベルの血管が脳全体の70-80%以上を占めますので、至る所に起こりえます。そのため、脳ドックなどでよく指摘される「かくれ脳梗塞」はほとんどがこのタイプの脳梗塞だと考えられます。症状が出たとしても、比較的軽く済むことが多いのですが、繰り返し発作を起こすと後遺症を残したり、認知症やパーキンソン症候群を引き起こすことがあります。高血圧がその危険因子として最重要ですが、近年は糖尿病の関与が増大しています。治療はこれら高血圧、糖尿病のリスク管理に尽きます。

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2)アテローム血栓性脳梗塞

頚動脈(5-8mm径)や脳内の主幹動脈(2-3mm径)など、太い血管に生じるアテローム(粥状、じゅくじょう)硬化を原因として起こる脳梗塞です。脳梗塞に至る状況には大きく分けて二つあります。一つはアテローム硬化が進行し、血管が徐々に狭くなり、その下流領域の脳への血流が減少し始めて起こるタイプ(血行力学的脳梗塞)、もう一つは、脳への血流はさほど低下していないが、その途中、血管の壁に付着した血栓やコレステロール塊が飛来し、末端の細い脳血管を突然閉塞させてしまうタイプ(動脈原性脳塞栓)があります。前者はラクナ梗塞よりも大規模、広範囲の脳梗塞になる可能性が高く、重症度も高い傾向があります。後者は一過性脳虚血発作(TIA)といい、症状が15分程度で、消失してしまうような発作形式を取ることも多く、そのまま見過ごされてしまうこともありますので、注意が必要です。自覚症状が軽微でも、頚動脈や脳内血管の動脈硬化はそれ相当に進んでいる危険性も高く、一時的な症状だからといって、決して放置できない状態ですので、是非、専門医にご相談下さい。

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3)心原性脳塞栓

最重症の脳梗塞のタイプです。原因となる病気は、心臓の不整脈である心房細動が最も多いこともよく知られています。心房細動は、加齢とともに頻度が増し、元来健康な心臓にも起こりえます。動悸、脈の乱れとして自覚される場合と、全く気づかれない場合がありますので、心電図によるチェックが重要です。心房細動になりますと、左心房と呼ばれる部位の動きが悪くなり、内部の血液が滞りやすくなります。その結果、心臓内に血の固まり(心腔内血栓)ができ、それが剥がれて、脳血管に流入することにより、ある日突然、重度の脳梗塞を発症してしまいます。

そして最近の国内の報告では、1)〜3)それぞれが約30%と、同程度ずつなっているのが特徴です。

以前は日本人の脳卒中(脳梗塞ではなく、脳卒中と言えば脳出血やくも膜下出血などが含まれます)といえば、脳出血が圧倒的に多かったことはよく知られており、それは塩分摂取の多い当時の食生活を背景に高血圧が国民病となっていたからです。その後、減塩の必要性が認識され、また様々な降圧剤使用が着実に浸透してきたことにより、血圧管理が徹底され、脳出血は明らかに減少の一途を辿ってきました。

そこで、質問です。

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この脳出血ともっとも類縁(よく似た背景)の脳梗塞のタイプは上の1)〜3)のどれだと思いますか?

正解は1)のラクナ梗塞です。
脳出血もラクナ梗塞も、ほとんどのケースが高血圧を基礎として、脳のなかの最も細い血管(200-300μm径)に起こる(細)動脈硬化性変化が原因となっています。つまり持続的な高血圧は、脳のなかの抵抗血管である細小動脈の壁に病理学的な変化をもたらし、血管の壁が膨らんで破れる(脳出血)か、血管内が詰まる(ラクナ梗塞)かのいずれかを生じることになるのです。

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次に、このラクナ梗塞は脳出血の減少傾向同様、減っているのでしょうか?

正解は、○でもあり、×でもあります。
確かに高血圧のみを背景にした純粋型ラクナ梗塞は脳出血の減少と相まって、間違いなく減っている印象はあります。ただ逆に、注目すべきは、氷山の一角的なラクナ梗塞が増え続けていると言う事実です。これは2)のアテローム血栓性脳梗塞と正しくは診断されるべき近年の脳梗塞の代表的な病型です。専門的にはBAD(branch atheromatous disease)と呼ばれ、入院後に神経症状が増悪する、我々脳卒中専門医泣かせの脳梗塞です。背景には高血圧のみならず、糖尿病や脂質代謝異常(悪玉コレステロールの増加や善玉コレステロールの減少、中性脂肪高値など)、メタボ体質などが合併していることが多く、より積極的な体質改善が重要です。

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脳梗塞を予防するには?

脳梗塞を予防するには、以下の項目がポイントとなります。

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1)自分自身の血管年齢(動脈硬化度)を知りましょう

それには頚動脈エコー検査が最適です。
頚動脈には左右合計4本の血管があります。前方にあるのが総頚動脈と呼ばれる5-7mmの太さの血管です。この血管では内中膜複合体という血管壁の厚さを測定します。正常は1.1mm以下であり、この基準値を超えて肥厚がある場合は、脳卒中や心筋梗塞が5倍以上の確率で起こりやすいことが知られています。次に総頚動脈は首の中腹あたりで二股に分かれます。一方は脳内へ(内頚動脈)、もう一方は顔の表面に分布していきます(外頚動脈)。もっぱら重要なのは前者の内頚動脈であり、この起始部周辺は動脈硬化が最初に起こりやすい場所でもあります。部分的に隆起した壁在病変(動脈硬化性プラークと言います)が頚動脈エコー検査ではよく観察されます。さらに進行すると血管内腔の半分以上を占めるほどの進行した動脈硬化の状態を認める場合などは、脳梗塞を非常に起こしやすい状況にあると診断されることもあります。さらに後方の血管は椎骨動脈といい、小脳、脳幹など、めまい、ふらつきの原因に関連した脳の血流状態を把握することも出来ます。このように、血管内でどのくらい動脈硬化が進行しているかを直接観察することが頚動脈エコー検査では可能であり、ご自身の現在の血管年齢を知ることが、将来の脳・心血管事故の危険性を予見することに繋がるのです。

松下内科クリニックでは頚動脈エコー検査をお受けいただけます。
スタッフまでお気軽にお問合せください。

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2)動脈硬化リスクに対する治療

高血圧、糖尿病、高LDL(悪玉)コレステロール血症、メタボ体質などの、いわゆる動脈硬化体質の改善が、脳梗塞の予防にはまず大切です。そこで、まずは自分自身の血圧値を知ることから始めましょう。家庭内血圧では、いつ測っても120/80程度であれば心配はありません。もし測定値の大半が135/85以上であれば、ぜひ医療機関を受診してください。また健康診断などで定期的に血液検査を受けましょう。空腹時血糖値100mg/dl以下、HbA1c(1-2ヶ月の血糖の平均的推移を反映)が5.6%以下であれば糖尿病の可能性は低いでしょう。LDL(悪玉)コレステロールが160mg/dl以上、HDL(善玉)コレステロール40mg/dl以下の場合も、薬物療法が勧められます。

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